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磨きにくい場所、小窩裂溝とは?

  • 歯科トピックス
磨きにくい場所、小窩裂溝とは?

毎日丁寧に歯みがきをしているつもりでも、むし歯になってしまうことがあります。

その原因の一つが磨き残しですが、特に歯の表面にある溝やくぼみは汚れが残りやすいポイントです。

なかでも、小窩裂溝は、むし歯ができやすい部位として知られています。

この記事では、小窩裂溝の構造やむし歯との関係、予防法について詳しくご紹介します。


■小窩裂溝とは?

・歯の咬合面にある細かい溝のこと

小窩裂溝とは、奥歯の噛み合わせ部分に見られる細く深い溝のことで、小窩はくぼみ、裂溝は溝を意味します。

奥歯は食べ物をすり潰す機能を担っており、複雑な形状をしています。

そのため自然とこのような細かい構造ができており、歯の機能にとって重要な役割を果たしています。


・むし歯のリスクが高い場所

この小窩裂溝は、見た目ではわかりにくいほど深い場合もあり、通常の歯ブラシでは毛先が届かないことも多いです。

汚れがたまりやすく、唾液による自浄作用も届きにくいため、むし歯が発生しやすい部位となっています。

特に、生えたばかりの永久歯の小窩裂溝は深く、むし歯の好発部位として注意が必要です。


■小窩裂溝にできるむし歯の特徴

・進行が早い

小窩裂溝にたまった食べかすやプラークの中には、むし歯菌が潜んでいます。

溝が細くて深いため、菌が内部に入り込みやすく、気づかないうちにむし歯が進行してしまうのが特徴です。

見た目には深く見えなくても内部で大きく広がっていることがあるのが、小窩裂溝のむし歯の特徴です。


・こどもに多く見られる

特に小学生になったばかりのころに間に生えてくる6歳臼歯は、溝が深く、歯質も弱い状態のため、むし歯のリスクが非常に高い歯です。

そのため、気づいたときには溝の中にむし歯ができていたということも少なくありません。


■小窩裂溝のむし歯を防ぐには?

・丁寧なブラッシング

歯ブラシの毛先が届きにくい小窩裂溝でも、できるだけ意識して磨くことが大切です。

奥歯の咬合面に毛先をしっかり当て、軽く押し当てながら細かく動かして磨くようにしましょう。

手動歯ブラシのほか、電動歯ブラシも効果的です。


・フッ素を取り入れる

フッ素は歯を強くする働きがあります。

フッ素配合の歯みがき粉を毎日使うことはもちろん、定期的に歯科医院でフッ素塗布を受けると、むし歯予防の効果が更に高くなります。


・シーラントで溝を埋める

シーラントとは、小窩裂溝の上から樹脂を流し込んで溝を塞ぎ、むし歯菌の侵入を防ぐ処置です。

歯を削ることなく行えるため、こどもの予防処置としてよく使われています。

特に6歳臼歯や第一・第二小臼歯に対して有効で、自然にはがれるまで数年単位でむし歯リスクを抑えることができます。


■おとなでも注意が必要?

・こどもの小窩裂溝より深くないことが多い

おとなの小窩裂溝はこどものものより浅いことが多いです。

しかし、溝になっていることに変わりはないため、一度むし歯菌が入り込んでしまうと深くなりがちです。

おとなであっても気をつけて清掃するようにしましょう。


・補綴物の周辺にも注意を

おとなの場合、奥歯に詰め物や被せ物がある方も多く、補綴物と歯の境目やその周囲に磨き残しがたまりやすくなります。

こうした箇所も小窩裂溝同様に磨きにくいため、ワンタフトブラシなどを使ってていねいに清掃することが大切です。


■まとめ

小窩裂溝は歯の自然な構造ですが、その複雑さゆえにむし歯のリスクが高い場所です。

特にこどもの生えたての永久歯に深いものが見られるため、保護者の方による仕上げみがきや定期的なフッ素塗布、シーラント処置などでしっかりと予防することが大切です。

大人でも磨き残しが続けば、むし歯のリスクはゼロではありません。

歯科医院での定期検診を通じて、小さなむし歯も早期に発見できるよう心がけましょう。


ママとこどものはいしゃさんグループでは、小窩裂溝のむし歯予防やクリーニング、フッ素塗布などの予防処置を丁寧に行っています。

こどもの歯をしっかり守ってあげたいとお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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