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歯って再生できるの?虫歯は自然に治る?

  • 歯科トピックス
歯って再生できるの?虫歯は自然に治る?

毎日しっかり歯みがきをしているのに、むし歯ができてしまうのであると思います。

歯医者に行かなくてはいけないと思っても、忙しさや歯医者への苦手意識から「自然に治ってくれないかな…」と期待してしまう方も多いのではないでしょうか。

この記事では、むし歯は自然に治るのかという疑問に答えていきます。


■歯は再生できるのか?

・人の歯は再生しない組織

人の歯は再生しない組織といわれています。

つまり、永久歯は一度失ったり、削ったりすると、自然には元通りにならないのが基本です。

動物の中には何度も歯が生え変わる種類もいますが、人間は乳歯と永久歯の二回しかチャンスがありません。


・歯の構造と再生の難しさ

歯は大きく分けて、エナメル質、象牙質、歯髄の三層構造でできています。

このうち、外側のエナメル質は体の中で最も硬い組織ですが、再生能力はほとんどありません。

細胞が存在しないため、一度傷ついたら修復されることはないのです。


■むし歯は自然に治るのか?

・初期のむし歯は再石灰化で回復することも

実はむし歯のごく初期段階であれば、自然に回復する可能性はあります。

初期むし歯とは、歯の表面が白く濁る脱灰と呼ばれる状態のことです。

この段階ではエナメル質が溶け始めているだけで、まだ穴が空いてはいません。

この状態だと、唾液の中に含まれるカルシウムやリン酸、そしてフッ素などの働きによって、エナメル質の表面が再び強化される再石灰化という自然修復が起きることがあります。 

ただし、この再石灰化が可能なのは、あくまでごく初期の段階に限られます。


・進行したむし歯は自然に治らない

むし歯が象牙質まで進行し、歯に穴が開いてしまうと、自然治癒はしません。

穴が開いた部分はすでに歯の組織が破壊されており、さらに悪化する可能性があります。

この段階になると、歯科医院での治療が必要です。


■再生医療による歯の再生研究は進んでいる?

・歯の再生医療が実用化する日は来る?

近年、iPS細胞などの再生医療技術の進歩によって、歯をまるごと再生することができるのではないかと期待されています。

実際に動物実験では、歯の芽を移植して、新たな歯を生やすという研究成果も報告されています。

しかし、こうした技術が人間にも応用できるようになるには、まだ時間がかかると考えられています。

倫理面や安全性の問題、コストの課題など、多くのハードルがあるからです。


・現時点では予防と早期治療が最善の方法

再生医療の未来に期待は持てるものの、現在のところは天然の歯を守ることが大切です。

むし歯の初期段階での発見と治療、そして日々の予防ケアが、歯の寿命を大きく左右します。


■むし歯を防ぐためにできること

・フッ素を使ったケアを習慣に

フッ素には、歯の再石灰化を促す働きがあります。

市販のフッ素配合歯みがき粉を使うだけでも予防効果がありますし、歯科医院でのフッ素塗布を定期的に行うのもおすすめです。


・間食の頻度を見直す

むし歯菌は糖分を取り込んで酸を出し、その酸が歯を溶かします。

食事のたびに口内が酸性に傾くため、ダラダラと食べたり、頻繁に間食する習慣は歯を溶かし、虫歯を作ります。

時間を決めて食べることで、唾液による修復時間をしっかり確保しましょう。


・定期検診を受ける

むし歯は自覚症状が出るころにはかなり進行していることが多いため、痛みが出る前に歯科医院でのチェックを受けておくことが大切です。

早期発見・早期治療が、天然歯を守るカギになります。


■まとめ

人間の歯は基本的に自然には再生せず、進行したむし歯も自然に治ることはありません。

しかし、初期のむし歯ならできる可能性もあります。

だからこそ、毎日の予防と定期的なチェックが何より重要です。


ママとこどものはいしゃさんグループでは、予防歯科に力を入れています。むし歯ができる前に予防したい方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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