いびきはどうやって起こるの?
- 歯科トピックス

夜、一緒に寝ている家族のいびきが気になることはありませんか?
もしくは、自分がいびきをかいていると指摘された経験がある方もいるかもしれません。
いびきはめずらしいものではなく、多くの人が経験するものです。
しかし、ただうるさいだけと思って放っておくのは危険な場合もあります。
いびきは睡眠中の呼吸にまつわる現象であり、その背景には口や喉、鼻の構造、そして生活習慣などが関係しています。
今回は、そんないびきのメカニズムと原因、そして予防や治療についてご紹介します。
■いびきはどうして起こるのか
・空気の通り道が狭くなることで発生する
いびきは、眠っている間に空気の通り道が狭くなり、呼吸のたびに粘膜や周囲の筋肉が振動することで音が生じる現象です。
特に舌の付け根や軟口蓋、喉の奥にある組織が緩むことで空気の通り道が狭まりやすくなります。
本来、起きているときは筋肉の緊張によって気道がしっかり保たれていますが、睡眠中は筋肉が緩むため、気道がやや狭くなります。
この状態で無理に空気を通そうとすると、組織が振動して「ガーガー」「グーグー」といったいびきの音が出るのです。
・口呼吸が関係していることも
特に口を開けて寝る習慣がある人はいびきをかきやすくなります。
口呼吸では空気が直接喉の奥を通るため、気道が乾燥しやすく、振動が起こりやすくなります。
また、舌が下がった状態になりやすいため、さらに気道を狭くしてしまうのです。
■いびきの原因とは
・首まわりの脂肪
首まわりに脂肪がつくと、喉の気道を圧迫する原因になります。
肥満の方はいびきをかきやすい傾向があり、特に仰向けに寝たときに気道がさらに狭くなってしまうことで、いびきが大きくなることがあります。
・筋力の低下
年齢を重ねると、喉や舌を支える筋肉の張りが弱くなってきます。
その結果、睡眠中に舌が喉の奥に落ち込みやすくなり、気道を狭めてしまいます。加齢による筋力の低下も、いびきの一因となるのです。
・鼻づまりやアレルギー
鼻が詰まっていると自然と口呼吸になりやすくなります。
風邪や花粉症などによって鼻づまりが起きている時、一時的にいびきをかいてしまうのはこのためです。
慢性的な鼻炎を持っている方も注意が必要です。
・睡眠時無呼吸症候群との関連
いびきをかく人の中には、睡眠時無呼吸症候群という病気を患っているケースもあります。
この病気は、睡眠中に何度も呼吸が止まってしまうのが特徴で、ひどい場合は1時間に何十回も無呼吸状態が発生します。
無呼吸の直前には激しいいびきをかくことが多く、これを放っておくと日中の強い眠気や集中力の低下、高血圧や心疾患のリスクにもつながります。
■いびきへの対処と予防
・寝る姿勢を見直す
仰向けに寝ると舌が喉の奥に落ち込みやすくなり、気道が狭くなってしまいます。
横向きで寝ることでいびきが軽減されることがあります。
体に合った枕の使用や、首を無理に曲げない姿勢を保つことも大切です。
・生活習慣の改善
適度な運動や体重管理は、首まわりの脂肪を減らし、気道の確保につながります。
また、アルコールの摂取は筋肉をゆるめるため、寝る前の飲酒はできるだけ控えたほうが良いでしょう。
睡眠の質を高めることも、いびきの改善に役立ちます。
・医療機関での治療
いびきが慢性化していたり、日中の眠気やだるさが強かったりする場合は、一度睡眠時無呼吸症候群の検査を受けてみましょう。
必要に応じてマウスピースの装着やCPAP(持続陽圧呼吸療法)といった治療を行います。
また、歯科医院では、睡眠時無呼吸症候群と診断された患者さんに対して、マウスピースを作製することで気道を確保し、いびきを改善するサポートを行っています。
■まとめ
いびきは身近な現象である一方、放っておくと健康に影響することもあります。
空気の通り道が狭くなることが原因であるため、生活習慣の見直しや寝る姿勢の工夫が大切です。
とくに、いびきが慢性的で日常生活に支障が出ている場合や、お子さんがいびきをかいているときは、早めに医療機関へ相談することをおすすめします。
ママとこどものはいしゃさんグループでは、口腔周りから健康を守るためのアドバイスを行っています。
いびきが気になる方は、お気軽にご相談ください。
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