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高齢者の口腔ケアと誤嚥性肺炎の予防

  • 歯科トピックス
高齢者の口腔ケアと誤嚥性肺炎の予防

■高齢者に多い誤嚥性肺炎とは

・食べ物や唾液が原因で起こる肺炎

誤嚥性肺炎は、食べ物や飲み物、または唾液に含まれる細菌が誤って気管に入り、肺に達することで炎症を起こす病気です。

高齢になると飲み込む力や咳き込む力が衰えるため、誤嚥が起こりやすくなります。

特に口腔内が不衛生だと、細菌が多くなり、肺炎を引き起こすリスクが高くなります。



■加齢によって変化する口腔環境

・飲み込む動作が上手くいかない

加齢に伴い、咽頭や喉の筋力が低下し、飲み込む動作がうまくいかなくなります。

さらに、脳卒中の後遺症やパーキンソン病などの疾患も誤嚥を引き起こしやすく、日常生活の中でも注意が必要です。


・唾液の分泌が減ることで細菌が繁殖しやすくなる

唾液には口腔内を清潔に保ち、細菌の繁殖を抑える作用があります。

しかし高齢者は加齢や薬の副作用などにより唾液の分泌量が減少しやすく、結果として細菌が口の中で増えやすい環境になります。


・歯の喪失や入れ歯の使用も影響

高齢になると歯が抜けてしまい、入れ歯を使用する方も多くなります。

入れ歯が合っていなかったり、しっかり洗浄されていない場合、入れ歯そのものが細菌の温床になることもあります。

これもまた誤嚥性肺炎のリスクを高める要因のひとつです。


■誤嚥性肺炎を防ぐための口腔ケア

・基本となるのは毎日の歯みがき

食後や就寝前には、歯ブラシを使って丁寧に歯を磨くことが重要です。

特に夜間は口の中の細菌が繁殖しやすいため、寝る前のケアは欠かせません。

歯間ブラシやデンタルフロスも使うと、歯と歯の間の汚れまできれいに取り除けます。


・舌や頬、口の中全体もケアが必要

歯だけでなく、舌の表面に付着した舌苔と呼ばれる白い汚れも、細菌の温床になります。

やわらかいブラシを使って優しく舌を掃除しましょう。

また、口の中の粘膜や頬の内側も清潔に保つことが大切です。


・入れ歯の正しいお手入れ

入れ歯は毎日外して、専用のブラシでしっかりと洗浄しましょう。

そのまま寝ると、口の中が不衛生になりやすいため、就寝時には外すことをおすすめします。

また、定期的に歯科で入れ歯のフィット感や状態を確認してもらうことも大切です。


■口腔機能の維持もポイント

・簡単な体操や発声練習で筋力を保つ

「パ・タ・カ・ラ」といった発声練習や、口を大きく動かす体操は、舌や唇、頬の筋肉を鍛える効果があります。

日常生活の中で無理なく続けられるよう、食後や朝の習慣に取り入れてみましょう。


・しっかり噛むことも大切

しっかり噛むことは、唾液の分泌を促すだけでなく、飲み込みやすくする働きもあります。

食事を急がず、ゆっくり噛んで食べることを意識するだけでも、誤嚥のリスクを減らすことにつながります。


・セルフケアが難しい場合は介助を

視力や手の動きが不自由になると、自分でしっかりとした口腔ケアが難しくなることもあります。

そんな時は、家族や介護スタッフと一緒にケアしてみましょう。

口腔ケアのタイミングを日課の中に組み込んだり、使いやすい歯ブラシやケア用品を揃えることで、無理なく継続できるようになります。


・定期的な歯科受診で健康を維持

高齢者の口腔ケアにおいて、プロによるクリーニングは欠かせません。

最近では、通院が難しい方のために訪問歯科診療を行っている医院も増えており、在宅でも専門的な口腔ケアを受けることが可能になっています。


■健康な口が守る、高齢者の生活の質

・口腔ケアは健康寿命を支える

毎日の丁寧なケアが、誤嚥性肺炎だけでなく、むし歯や歯周病の予防にもつながり、高齢者の健康寿命を延ばす要素となります。

食事を楽しみ、会話を楽しむことは、心身の健康にとって非常に大切です。

口腔環境が整っていれば、それらが自然に続けられるようになります。


ママとこどものはいしゃさんグループでは、ご高齢の方への口腔ケアや、誤嚥性肺炎予防のご相談にも対応しています。ご本人はもちろん、ご家族や介護に関わる方も、お気軽にご相談ください。


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