喫煙がインプラントにもたらす影響
- 歯科トピックス

歯を失ったときの治療法として、インプラントを選ぶ方が年々増えています。
見た目良く、天然歯のようにしっかり噛めることから、生活の質を高める選択肢として注目されていますが、全ての方にとって同じ結果が得られるとは限りません。
特に喫煙は、インプラント治療の結果に大きく影響する要因として知られています。
喫煙習慣があることで、インプラントの成功率が下がったり、治療後の合併症が起こりやすくなったりすることが、さまざまな研究や臨床の現場で報告されています。
この記事では、喫煙がインプラントにどのような影響を与えるのか、メカニズムや注意点についてご紹介します。
■インプラント治療とは
・失った歯を補う治療方法
インプラント治療は、歯を失った部分の顎の骨に人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着することで、元の歯と同じように噛む力や見た目を回復させる治療です。
ブリッジや入れ歯とは異なり、隣の歯を削るなど、他の歯に負担をかけないのが大きな特徴です。
・インプラント治療成功のカギは骨との結合
インプラントは、チタンという素材でできており、生体との親和性が高いことが特徴です。
インプラント体が顎の骨としっかりと結合することで、長期的に安定した噛み心地を得ることが可能になります。
しかし、この結合がうまくいかないと、インプラントがぐらついたり、脱落してしまうこともあります。
■喫煙がインプラント治療に与える影響
・血流の悪化による治癒の遅れ
喫煙によって体内に取り込まれるニコチンは、血管を収縮させる作用があり、血流を悪化させます。
インプラント手術後の回復には、十分な血流と栄養が必要です。
喫煙によって血流が滞ると、傷口の治癒が遅れ、感染のリスクが高まることになります。
・インプラントと骨の結合が悪くなる
インプラント治療で最も重要なのは、インプラント体が顎の骨としっかり結合することです。
これをオッセオインテグレーションと呼びます。
喫煙者はこのオッセオインテグレーションがスムーズに進まず、結合が不完全になるケースが多く報告されています。
その結果、インプラントが定着せず、早期に脱落してしまう可能性が高くなります。
・口腔内環境の悪化
喫煙者は、非喫煙者に比べて歯肉の血行が悪くなりやすく、歯周病のリスクが高いことが知られています。
インプラントは天然歯と違い、免疫的な防御機構が弱いため、インプラント周囲炎と呼ばれる病気にかかると、進行が早く、最終的にインプラントが抜け落ちてしまう恐れもあります。
■禁煙がインプラント成功の第一歩
・治療を受けるなら禁煙が基本
インプラント治療を検討している方には、まず禁煙を強くおすすめします。
できれば、手術の数週間前から禁煙を開始し、治癒が安定するまでの数ヵ月間は継続することが望ましいです。
・禁煙のサポートを受ける
すでに喫煙習慣がある方にとって、禁煙は簡単なことではないかもしれません。
歯科医院では、禁煙に関するアドバイスや、必要に応じて医療機関の紹介も行っています。
無理のない範囲で始められる禁煙方法について、一緒に考えていきましょう。
■インプラントを長持ちさせるために
・日々のセルフケアが重要
インプラントを快適に使い続けるには、天然歯以上に丁寧なケアが必要です。
毎日の歯みがきはもちろんのこと、歯間ブラシや専用のデンタルグッズを使うことで、清潔な状態を保つことができます。
・定期的なメンテナンス
インプラントは、一度入れたら終わりではありません。
定期的に歯科医院で検診を受け、インプラントや周囲の歯肉の状態をチェックすることが大切です。
小さな異常でも早期に発見できれば、大きなトラブルになる前に対処できます。
■まとめ
喫煙は、インプラント治療においてさまざまな影響を及ぼす要因のひとつです。
手術の成功率を下げるだけでなく、治療後の合併症リスクを高め、インプラントの寿命を短くしてしまう可能性もあります。
もしインプラント治療を検討しているのであれば、禁煙に取り組みましょう。
健康な口腔環境を維持し、インプラントを長持ちさせるためにも、まずは日々の生活習慣を見直してみることが大切です。
ママとこどものはいしゃさんグループでは、インプラント治療における禁煙のアドバイスを行っています。
インプラントを大切に長く使いたい方は、お気軽にご相談ください。
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