意外に知らない、犬歯のこと
- 歯科トピックス

私たちの口の中には、全部で28本から32本の歯が並んでおり、それぞれが異なる役割を持っています。その中でも、少し鋭くて目立つ形をした犬歯は、上下左右に1本ずつ、計4本あります。
見た目に特徴があるためなんとなく覚えているという方は多いかもしれませんが、実は犬歯にはとても重要な役割があり、歯並びや噛み合わせに深く関係しています。
今回は、そんな犬歯にスポットを当て、どんな働きをしているのか、なぜ大切なのか、そして犬歯にまつわるトラブルや治療について解説していきます。
■犬歯とは
・前歯と奥歯の中間にある歯
犬歯は、前から数えて3番目の歯で、前歯(切歯)と奥歯(臼歯)の中間に位置しています。
その形状は先端がとがっており、やや長く、根の部分も深くしっかりしています。
上の犬歯は特に長く、骨の中に深く根を持っているのが特徴です。
この鋭い形からも分かるように、犬歯は食べ物を引き裂くための歯とされており、肉食動物ではとても発達しています。
人間の場合、肉を引き裂くほどの機能は必要とされなくなってきましたが、他にも大切な役割を担っているため重要な歯といえます。
・顔の印象にも関わる歯
犬歯は口元の外側に位置しているため、笑った時などに目立ちやすい歯です。
そのため、犬歯の位置や傾き、形によって、顔全体の印象が変わることもあります。
たとえば、犬歯が前に出ていると八重歯と呼ばれ、チャームポイントになることもありますが、歯並びやかみ合わせのバランスが乱れる原因となることもあるため注意が必要です。
■犬歯の重要な役割
・噛み合わせの安定に関わる
犬歯は、前歯と奥歯をつなぐ重要な中間のポジションにあるため、噛み合わせ全体のバランスに影響します。
特に犬歯誘導といって、下顎を横に動かしたときに犬歯同士が接触して、奥歯がぶつからないようにする働きがあります。
これにより、奥歯がすり減ったり壊れたりするのを防ぐのです。
もし犬歯が欠けたり、抜けたりすると、代わりに他の歯が力を受けてしまい、かみ合わせの不調や顎の痛み、歯の破折の原因となることもあります。
・矯正治療でも重要な役割を果たす
矯正治療においても、犬歯はとても重要な目印となります。
犬歯の位置によって前歯と奥歯の位置関係が決まるため、正しい噛み合わせを作るためには、犬歯の位置をしっかり整えることが必要です。
また、犬歯は根が長くて丈夫なため、矯正の際に他の歯を動かすための支点としても利用されます。
■犬歯に関するトラブルと治療
・犬歯が生えてこない・埋まっている
時々見られるのが、永久歯の犬歯がなかなか生えてこない、もしくは骨の中に埋まったまま出てこないというケースです。
特に上の犬歯は、前歯と小臼歯が放出した後に生えてくるため、スペースが足りず位置異常が起こりやすい歯でもあります。
埋伏している場合、レントゲンやCTで正確な位置を確認し、必要であれば歯肉を開いて矯正装置で引き出す処置が行われることもあります。
早期発見が大切なので、定期的な歯科検診が欠かせません。
・八重歯や乱ぐい歯
犬歯が本来の位置に生えられず、外に飛び出してしまう八重歯や、隣の歯と重なってしまう乱ぐい歯もよく見られるトラブルです。
見た目の問題だけでなく、歯磨きがしにくくなるため虫歯や歯周病のリスクも高くなります。
こうした場合も、矯正治療によって歯の位置を整える必要が出てきます。
◎犬歯の虫歯や破折
犬歯は根が長く丈夫な歯ですが、それでも虫歯や衝撃によって破折することはあります。特に歯ぎしりや食いしばりが強い方は、犬歯にも大きな負担がかかっており、注意が必要です。違和感を感じた場合は早めに歯科医院で診てもらうことをおすすめします。
■まとめ
犬歯は見た目に特徴のある歯ですが、それ以上に噛み合わせや口元のバランスを支える重要な役割を果たしています。
日々のケアや定期検診を通じて守っていく必要があります。
特に成長期のお子さんの場合は、犬歯の位置や生え方に注意して、必要があれば矯正治療などの早期対応を検討することが大切です。
ママとこどものはいしゃさんグループでは、歯並びを守るためのアドバイスを行っています。
犬歯の生え方が気になる方は、お気軽にご相談ください。
ママとこどものはいしゃさんグループ加盟院の検索はこちら